「開幕 －憎しみだけが知っている－」

やっとこさ小説アップです。これはルルーシュ独白でこれから『幕』シリーズとして3つくらい短編（超がつくほど短い）が続きます。（スザク視点、最終捏造など）
なるべく早く書き上げてしまいたいのですが･･･なんせ文才というか構成能力が低いんです・・・・。なら書くなよって思うんですが妄想力だけはたっぷりとあるのでどうしても文章化したくなるんですよね（苦笑）

では、興味をもたれた方は「つづきはこちら」からどうぞ！

 

どうしてこんなにも憎いのか、それすらもう忘れてしまった。

 

 

さぁ復讐を、始めよう。
母を奪い、妹から足と光を奪い、スザクまで持っていってしまったあの国に。
『よわいもの』に対して容赦なく、傲慢な人間達の住む国に。

いつか壊してやろうと思っていた、七年前のあの日から。
いつかあの男を絶望の淵に堕として殺してやろうと思っていた、母が殺されたあの日から。

王の力を手に入れた。
絶対に負けなどしない。あの男に屈することなどもうない。
自分の大切な、優しい人たちが優しいままで居られる場所を、今度は俺があの国から奪い取る。

この手はもう半分血の繋がった兄を手に掛けた。
それにきっと、見知らぬ人間を巻き込んで間接的に殺してしまっている。
だからもう、戸惑いなど何処にも無い。
たとえ父親だろうが殺してみせる。それ程までに憎いのだ、あの男が。
この身体にあの男の血が流れているかと思うと背筋が寒くなる。
でも、破壊することしか頭にない今の俺はとてもあの男に似ているだろう。
己の中にある時折姿を見せる残虐性や、他人を容易に受け入れられない性質は
間違いなくあの男から受け継いだものだとしか思えない。
いくら外見は母に似ていても、彼女のように優しくはなれなかった。

母が復讐なんて望まないことは、良く分かっている。
優しくて聡明で、俺とナナリーに一心に愛を注いでくれた母。
あんな男に娶られたせいで、幸せになれなかった悲しい人。

母が死んでも顔色一つ変えなかったあの男は、少しでも母を愛していたのだろうか。

――――少しでも俺を、見ていてくれたのだろうか。

開幕のベルが鳴る。
俺は仮面を被らなくてはいけない。
何もかも忘れてしまうために、ブリタニアを壊すこと以外全てを。

悲しみなんて、とうの昔に捨ててしまったよ。
この身体に燻っているのは、憎しみの赤黒い炎だけ。
だから

憎しみだけが、知っている。

どうして愛してくれなかったの