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同じ嗜好の人間が周りに居ないので独り寂しく語るためのブログ。
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妃 灰色 (キサキ カシキ)
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女性
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コードギアスの二次創作&雑記ブログを目指しています。
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今晩のギアスの前に上げておきたかったので後で改変の予定アリですがアップ。
(今晩のギアスでユーフェミア死亡という噂があったので)
幕シリーズの一部。最後の捏造です。死ネタです、ご注意を。

最近、スザクがいじめたくてしょうがないです。お前ホントにスザルル好きなのかと聞かれれば笑顔で「Yes」と答えますがだからこそスザクが可愛さあまって憎さ百倍です。こんちくしょう。
日参しているサイト様に書いてあったのですが、スザルル好きだからこそスザクが許せないというかなんというか。

灰色の未熟さが溢れている拙い文章ですが興味がおありでしたら是非、つづきはこちらからどうぞ。


はやくはやく、ころしにきてよ。
もうすぐなにもかもおわるんだ。だからさいごはおまえがいい。
まくをひらくのはおれだけれど、とじるのはおまえだとあのときからきめていた。
このぶたいはただのこっけいなひげきだったけど
つぎにはじまるはなしはきっと、おまえをこうふくにするよ。
だからこのままおれにあやつられていて。
さいごまで、かんぺきにえんじきってみせるから。

 

 



 


終幕、そして彼は舞台を降りた

 

 

 

 

 


ブリタニア帝国は、もうほとんど崩壊していた。
十一番目の属国から始まった、一人の男の反逆によって。
皇族のほとんどが殺され、残っている高位継承者は第三皇女ただ一人。
そして、皇帝はたったいまゼロの手によって殺された。
右手に銃を持ったまま、ゼロは立っている。そしてそのまま動かなかった。
仮面のせいで表情を知ることは出来ないがその視線は殺した男に向けられているようだった。
間に合わなかった、とスザクはそう呟いた。なんとか自分の主は守りきったけれど皇帝は死んでしまった。
ゼロが勝ってしまった。

ゼロは動かない。彼以外この謁見の間には誰もいなかった。常に王の傍に居るはずの親衛隊も、黒の騎士団も。
この機会をのがしてはいけないと思いスザクは銃に手を掛けた。
彼を殺さなければいけない。

中を窺うために少しだけ開いていた扉を押して、スザクは中に入った。
ゼロはまだ、こちらを向かない。
両手で銃を持って照準を合わせた、絶対に外すことなど無いように。
「・・・・・・ゼロ。」
「来たか、やはりお前だったな枢木スザク」
そう言って彼はこちらを向いた。今まででもそうだったように仮面からでは彼がどんな顔をしているのか
すらわからない。しかし銃を突きつけられてもなお、彼の声からは余裕しか感じ取れなかった。
「皇帝を殺して、君の正義は貫けたのか?」
「貫いた、のかもしれないな。目的は達成した。私はブリタニアを壊した」
「・・・・・・僕は君を、殺す。たとえ世界が君を望んだとしても、君を許せないから」
そう、許せない。ゼロが掲げた正義は僕から大切な人を奪った。
銃のグリップを握り直して、スザクはゼロを睨んだ。
スザクは初めて出会った時からこの男が好きではなかった。
自分と違う思考を持つ、世界の破壊を望んだ人間はどこか大切な人に似てたから。
彼が犯罪者に似ているなんてそんなことを思いたくもないのに。
ただほんの1パーセントにも満たない可能性がいつまでも心に燻っていた。

彼は何処にも居なかったから。

 

「私を殺すのは、お前だと思っていたよ」
少し楽しそうな声でゼロはそう言った。
殺されるのを予期していて、抵抗しないなんて彼らしくない、とスザクは思った。
いつだって彼は一手先を考えて、策を用意しているように見えたのに。
「やっと望みが叶ったのに、君は生きる気がないのか?」
「これ以上生きる気など、ない。私は壊したかっただけだ、あの玉座に欲しかったわけではない。
 だからお前の主は生きているだろう?次にあの座に座るのは、彼女だ。
 私は‘ゼロ’だ。元から存在などしなかった。あとはただ無に還るだけだ」
ゼロの手からするりと銃が滑り落ちて、音も立てず赤い絨毯の上に落ちた。
「お前は生きろ。この壊れた国を創りなおすのはお前達の役目だ」
何を勝手なことを、と思ったけれど彼はスザクが殺してしまうからどうしようもない。
それにそんなことを言われなくてもきっとスザクの主は国を直すだろう、彼女のように優しい国に。

 

「仮面を外してくれないか、最後に顔を見たい」
「それはできないな。ああ、撃ってからも仮面を外すな。この仮面の下には不幸が詰まっているぞ」
「何をふざけたことを・・・・・・」
「ふざけてなんかいないさ。この仮面の下には君が望まない結末が秘められている。そして私も望まない」
どういう意味だ、とスザクはゼロに問おうかと思ったけれど、できなかった。

「最期に頼まれてくれないか」
「・・・君を殺さないという頼み以外で、僕にできることならば」
殺してしまうことの贖罪にしようとは思わないけれど、敵に、しかも自分を殺そうとしている人間にする頼みごとを聞いてみたかった。
「ありがとう。俺を殺したら軍に引き渡さずに燃やしてくれないか。‘ゼロ’のままで消えてしまいたい」
「それが君の、最後の望み?」
「ああ。」

銃を持つ手が僅かに震えている。
そういえば今までランスロットに乗っていたから自分の手で引き鉄を引くのは久しぶりだったな、
なんて少し逃避じみたことを心の中で呟いた。

 

「撃て」

 

その一言と同時に、乾いた音が響き渡った。

 


スザクは最後まで目を離さなかった。
ゼロが倒れる瞬間を、じっと見つめていた。
彼がその身体に穴をあけて辺りに血を染み渡らせていくのを、彼が息を引き取る瞬間を。


終わった、とそう思いながらスザクはゼロだったものに近付いた。
彼の頼みごとを実行しなければいけなかったから。
それさえ終えれば、やっと君のもとにゆける。
早く終わらせてあそこに行こう。
君の身体の一部すら存在しない場所だけれど、遺品がつまった棺のある冷たい土の下はきっとこの世界の何処よりも、君に近い。

ゼロは犯罪者だったけれど紛れもなく生きている人間だったから、人を殺したという罪悪感が心の隅で生まれてしまったのだろうか、目の前が歪んで見える。そのとき初めて自分が泣いていることを知った。どうしてだろう。少し足元はふらついていたけれど、あまり気にならなかった。そして彼の身体を抱えあげたとき、違和感を覚えた。

 

この存在を知っている、そう全身が訴えていた。

 

見てはいけないと、頭の中で警鐘が鳴っている。
それでも止められなかった。信じたくなかった。
彼の身体を下ろして仮面を外す。

 

 

 

 

 

 


主役が舞台を降りたのに、どうして幕が下りないんだろう。








さぁ、本当の悲劇の幕開けだ!



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